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研究
血管撮影にて異常を認めないくも膜下出血症例の治療方針
著者: 安井敏裕1 坂本博昭1 岸廣成1 小宮山雅樹1 岩井謙育1 山中一浩1 西川節1 中島英樹1 韓正訓2
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科 2大阪市立総合医療センター救命救急センター
ページ範囲:P.907 - P.912
文献購入ページに移動臨床症状ならびにCTスキャンの所見からは明らかなくも膜下出血(以下,SAH)であるにもかかわらず,脳血管撮影では脳動脈瘤などの異常を認めない症例が存在する.これら原因不明のSAH症例の予後は一般には良好であると言われている17,26).しかし,中には再出血を来たしたり重篤な脳血管攣縮のために予後不良となる場合もある.すなわち原因不明のSAH症例の原因は単一とは言いがたく,特に問題となるのは剖検や試験開頭により確認されているように破裂脳動脈瘤による症例も含まれている可能性があるということである.今回は,自験例について臨床所見ならびに長期追跡調査結果を検討し,脳血管撮影で異常を認めないSAH症例の管理方法について考察する.
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