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研究
斜台脊索腫に対するstereotactic brachytherapy
著者: 松本健五1 為佐信雄1 富田享1 田宮隆1 古田知久1 大本堯史1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科
ページ範囲:P.919 - P.925
文献購入ページに移動斜台脊索腫はその発育部位,性質から,多くの場合全摘出は困難で,可及的摘出ののち残存腫瘍に対して放射線治療が行われている5,6).しかしながら,解剖学的に脳幹,脊髄,視神経や主要動脈などが近傍にあるため腫瘍増加の制御に要する十分の放射線量がかけられないことから従来の放射線治療にも限界があり,治療困難な腫瘍とされている7,12,16).
この斜台脊索腫に対する新しいアプローチとして,正常組織を温存しながら腫瘍局所に大量照射が可能な集光照射の一つであるbrachytherapy(低線量率持続放射線組織内照射)の有効性が最近報告されている8,11).本法の最大の問題点は複雑な形をした腫瘍内へ正確にカテーテルを刺入することの困難性にある10).
われわれはカテーテル刺入法の改良を試み,良好な成績が得られたので若干の文献的考察を加え報告する.
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