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研究
頭蓋内巨大動脈瘤の手術成績:瘤内血栓,動脈瘤頸部硬化性変化合併例の検討
著者: 上出廷治1 大滝雅文1 田邉純嘉1 端和夫1
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1007 - P.1015
文献購入ページに移動巨大脳動脈瘤の自然経過は極めて予後不良で3,7),神経症状を呈したものを放置することはできない.しかし,顕微鏡下手術が一般化し,手術技術が向上した現在でも,その治療成績は決して満足できるものではない3).文献的には術中動脈瘤頸部クリッピングが困難で,母動脈の閉塞術,coating術などを選択せざるを得ない場合が約半数におよぶ3,6).クリッピングを施行できた症例でも,手術に伴って発生した脳虚血による術後悪化が少なくない.母血管の一時血流遮断が長時間におよんだための虚血や,クリッピングにより母動脈や分枝動脈の高度狭窄や閉塞を来した結果発生した虚血,さらに動脈瘤内の血栓が剥離して発生した末梢動脈塞栓症などによるものである.大きな動脈瘤でも,特に瘤内血栓が存在したり動脈瘤頸部近傍に動脈硬化巣が存在する場合には,手術時こうした虚血性合併症を如何に防止するかが問題となる.本稿では,このような動脈瘤の手術法,治療成績を報告するとともに,合併症予防法について検討する.
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