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症例
上衣下巨細胞性星細胞腫と腎血管筋脂肪腫を合併した結節性硬化症の1例
著者: 野口哲央12 菅野洋1 坂田勝巳1 所和彦1 小野敦史1 山本勇夫1
所属機関: 1横浜市立大学脳神経外科 2小田原市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.1017 - P.1019
文献購入ページに移動結節性硬化症tuberous sclerosis(TS)は顔面皮脂腺腫,癲癇,精神発育遅延を三主徴とする常染色体優性遺伝性疾患であり,15万から30万人に1人の頻度で発生し,このうち家族発生例は14-35%,孤発例は60—80%とされている5,8,9,11).近年の分子生物学の進歩により,その原因遺伝子は染色体9番長腕4)と16番13)に同定され,前者はTSC1,後者はTSC2と命名されて多発性嚢胞腎との関連が指摘されている.TSは種々の腫瘍を合併することが知られており,われわれは脳室内の上衣下巨大細胞性星細胞腫subependymal giant cell astro—cytoma(SEGA)および腎血管筋脂肪腫renal angiomyo—lipoma(RAML)を合併したTSの1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
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