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症例
亜慢性期の手術によって視野・視力の劇的な回復がみられた下垂体卒中
著者: 新島京1 新宮多加志1 堀口聡士1
所属機関: 1国立京都病院脳神経外科
ページ範囲:P.1115 - P.1118
文献購入ページに移動下垂体腺腫内の出血もしくは出血性壊死による腺腫の急激な増大に起因する,突発性の頭痛,嘔吐,視野視力障害,眼球運動障害等を呈する病態は,下垂体卒中と呼ばれる.その頻度は,全下垂体腺腫の1-10数%といわれている1,3,6,7).いわゆるapoplexyとしては発症しないで,MRIで偶然発見されたsubclinicalな腺腫内出血をも含めると,全下垂体腺腫の10-20数%でみられるといわれている2,7).
下垂体卒中による視障害の予後は必ずしも楽観的ではなく,当該症例に遭遇した場合には可及的速やかに血腫及び腫瘍を摘出し視神経並びに頭蓋内の減圧を計るべきであると考えられている2-5,7).特に,視神経は非可逆的な障害を受け易く,急性期に神経自身の減圧と微細な栄養血管の血流改善を行わなければ,その機能回復は難しいとされている2,5,6).
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