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研究
肺癌よりの転移性脳腫瘍の治療方法について:performance statusの推移よりの検討
著者: 中川秀光1 萩原靖1 山田正信1 森内秀祐1 岩月幸一1 中村慎一郎2 宝来威2
所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪府立成人病センター第4内科
ページ範囲:P.117 - P.122
文献購入ページに移動癌患者の治療についてはquality of life(Q.0.L.)が唱えられて久しく,performance status(PS)の程度が重要である.転移性脳腫瘍の場合は症状の軽減が主となり,残された限りある人生における個々のfunctional statusを維持することに主眼がおかれる.特に脳以外の癌病巣およびそれに対する治療等による抵抗力の低下等があらかじめ存在する場合が多く,積極的治療が即,好結果につながらない.悪性脳腫瘍患者では免疫能の低下が報告され6,20)特に高年齢患者に対しては免疫力4,18),回復力が悪いため治療中のPSが特に重要となる.現在転移性脳腫瘍は主に手術療法,放射線療法,化学療法から成り,その適応,治療法については多くの議論がなされている3,15).今回PSとしてKamofsky score(KS)の変化を追求しそれよりこれらの転移性脳腫瘍の治療法についてPSの観点から検討した.
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