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症例
嚢胞内を移動する塊をもった症候性ラトケ嚢胞の1例
著者: 桑原孝之12 篠原義賢1 杉浦正司1 平松久弥1
所属機関: 1藤枝市立総合病院脳神経外科 2沼津市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.177 - P.180
文献購入ページに移動CT及びMRIの出現以来,ラトケ嚢胞の報告は多い.報告上,嚢胞内容物は多様であり,髄液様の無色透明の液体,ゼリー状,白濁した粘液,乳汁様,顆粒状,画像上二層性を示すものなど種々様々である1,7).しかし嚢胞内に腫瘤を認めたとの報告はきわめて少ない.渉猟しえた限りではKucharczykらが嚢胞壁に固着したdesquamated cellular debrisをwaxy noduleと命名し報告し2),その後Sumidaらも同様の症例を報告している4)のみである.
今回われわれは,嚢胞内を移動するmassをもったラトケ嚢胞を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.また本例は画像上,視床下部への圧迫所見がないにも関わらず視床下部性の下垂体機能低下症を呈していた.その機序についても考察を加えた.
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