文献詳細
文献概要
研究
側脳室前半部病変に対する経脳梁法と経皮質法の比較:脳室拡大と可視範囲との関連について
著者: 長澤史朗1 三宅裕治1 太田富雄1
所属機関: 1大阪医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.321 - P.327
文献購入ページに移動側脳室腫瘍は小さくても間欠的に脳圧亢進症状を来たすことがあれば,脳室内を鋳型状に占拠するほど巨大化しても症状を出さないこともあり,診断確定時の腫瘍の大きさは症例により著しく異なる.また腫瘍の性状や局在・伸展も変化に富んでいるため,その摘出時には個々の症例に適した手術接近法を選択することが重要である.
脳室内病変へは経脳梁接近法が広く利用されているが,脳室拡大がある場合には経皮質接近法が有用とされている4,7-10).しかし脳室拡大の程度,腫瘍の局在や大きさなどに関連して両接近法の適応を検討した研究は少ない.そこで本研究ではわれわれが経験した側脳室前半部病変に着目し,各症例の画像所見と手術所見を比較すると同時に,模型を用いて種々の程度の脳室拡大時に各接近法で視認できる範囲を検討した.
掲載誌情報