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症例
前大脳動脈領域における末梢型外傷性破裂脳動脈瘤:閉鎖性頭部外傷に伴う遅発性頭蓋内出血例の検討
著者: 笹岡保典13 鎌田喜太郎2 金本幸秀1 大塚博之1 崎谷博征1 本山靖1
所属機関: 1奈良県救命救急センター脳神経外科 2奈良県立五條病院脳神経外科 3国立奈良病院脳神経外科
ページ範囲:P.337 - P.344
文献購入ページに移動外傷性頭蓋内脳動脈瘤の発生要因としては,穿通性外傷を主とする直接血管損傷と,閉鎖性外傷による間接損傷があり,特に閉鎖性頭部外傷に伴う外傷性脳動脈瘤は,比較的稀な頭部外傷の合併症とされている.しかも,外傷後ある時期を経てしばしば頭蓋内出血(delayed hemorrhage)を来たし,また予後も極めて不良であることから1),頭部外傷の合併症として臨床的にも社会的にも問題となることが多い.
今回われわれは閉鎖性頭部外傷後,数週間後に突然誘因なく脳内出血を来たし,急激な経過をたどり死亡した3症例の前大脳動脈末梢部領域における外傷性破裂脳動脈瘤を経験したので,それらの臨床経過,CT上の特徴ならびに剖検所見を併せて検討し,本疾患について文献的考察を加え若干の知見を得たので報告する.
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