Neurological Surgery 脳神経外科25巻4号

1997年04月発行

症例

脳ドックで見つかった脳動脈瘤手術に際しての自己血輸血の使用

著者： 小澤常徳¹² 鎌田健一¹ 加藤俊一¹

所属機関： ¹三之町病院脳神経外科 ²新潟大学脳研究所脳神経外科

ページ範囲：P.345 - P.347

I．はじめに
　輸血（同種血輸血）の使用においては，献血者のスクリーニング検査の強化など安全性を高める努力がされてはいるが，輸血後肝炎や輸血後GVHD（graft versus host disease）などの危険は完全には回避できない．これら同種血輸血によるリスクを避けるために，自己血輸血の普及が望まれている．今回われわれは，脳ドックにて発見された脳動脈瘤の開頭手術に際して，不測の事態による出血に対する輸血として自己血輸血を選択し，準備した．その意義についての考察を加え，報告した．