文献詳細
文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
海綿静脈洞部腫瘍の手術
著者: 玉木紀彦1 中村貢1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.399 - P.409
文献購入ページに移動I.はじめに
1965年にParkinson15)が内頸動脈海綿静脈洞瘻に対して直達手術を行って以来,剖検や手術所見による海綿静脈洞の微小解剖の研究が行われ,その結果,海綿静脈洞内へのさまざまな到達法が報告されてきた.一方,手術アプローチが困難な脳深部病変に対しては,手術中の脳組織への侵襲を可及的に少なくするという頭蓋底外科手術の概念にもとついた開頭方法が開発されてきた.これらの開頭方法の普及と微小解剖の理解によって,かつてはno-man's tandと呼ばれていた海綿静脈洞の腫瘍に対する手術適応は拡大し,同時に手術成績も向上してきた.
当施設でも積極的に海綿静脈洞部腫瘍に対して根治的手術を行ってきた.海綿静脈洞部も含めて頭蓋底部腫瘍の手術を行うには,1)神経解剖の理解と習熟,2)種々の神経画像診断法の応用,3)種々の術中モニタリングの利用,4)脳神経外科手術手技の熟練,などが重要である.
1965年にParkinson15)が内頸動脈海綿静脈洞瘻に対して直達手術を行って以来,剖検や手術所見による海綿静脈洞の微小解剖の研究が行われ,その結果,海綿静脈洞内へのさまざまな到達法が報告されてきた.一方,手術アプローチが困難な脳深部病変に対しては,手術中の脳組織への侵襲を可及的に少なくするという頭蓋底外科手術の概念にもとついた開頭方法が開発されてきた.これらの開頭方法の普及と微小解剖の理解によって,かつてはno-man's tandと呼ばれていた海綿静脈洞の腫瘍に対する手術適応は拡大し,同時に手術成績も向上してきた.
当施設でも積極的に海綿静脈洞部腫瘍に対して根治的手術を行ってきた.海綿静脈洞部も含めて頭蓋底部腫瘍の手術を行うには,1)神経解剖の理解と習熟,2)種々の神経画像診断法の応用,3)種々の術中モニタリングの利用,4)脳神経外科手術手技の熟練,などが重要である.
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