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研究
内頸動脈後交通動脈動脈瘤の手術:MR血管撮影の元画像の有用性について
著者: 竹市康裕1 小島正行1 李英彦1 船津登1 京嶌和光1 馬淵順久2 津田永明1 長澤史朗3
所属機関: 1蘇生会総合病院脳神経外科 2蘇生会総合病院放射線科 3大阪医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.411 - P.416
文献購入ページに移動MR血管撮影(MRA)は脳動脈瘤を無侵襲的に診断する検査法として近年急速に普及してきた.本検査法では通常MRA投射像が読影されているが,動脈瘤とその周囲の脳血管との詳細な検討にはMRA元画像が有用とされている1,5,7,11).さらにMRA元画像は原理的にはスライス幅の薄いT1強調画像と考えられるため,血管構築のみならず,これに隣接する脳や脳神経などを明瞭に描出することができる14).
一方,内頸動脈後交通動脈動脈瘤(ICPC動脈瘤)は後交通動脈,前脈絡叢動脈や動眼神経などの重要な構造物に囲まれている.また側頭葉内に嵌入している場合には,不用意な手術操作により術中破裂を来たす場合がある16).このため従来から術前の詳細な検討が重要であるとされてきた.しかしながらX線血管撮影では,重なりあった動脈瘤と脳血管との立体的な把握が困難な場合があり,また脳や脳神経は描出できない.このため必ずしも十分に局所解剖の予測ができるわけではなかった.
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