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文献概要
症例
激しい頭痛で発症し,特徴的な神経放射線学的所見を呈したspontaneous intracranial hypotensionの2例
著者: 木下泰伸1 寺下俊雄2 寺田友昭1 中井國雄1 板倉徹1
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科 2寺下病院
ページ範囲:P.437 - P.442
文献購入ページに移動腰椎穿刺などの医源性により頭蓋内圧が低下し,postural headacheを引き起こすことは良く知られているが,明らかな外因なしに頭蓋内圧低下をきたす病態も存在し,spontaneous intracranial hypotension(SIH)と呼ばれている.SIHは稀な病態であるが,最近posturalheadacheの原因として重視され,MRIでの髄膜の特徴的所見も報告されている5,8,11,13,14,20,28,31,32,35).今回,くも膜下出血と見誤るような激しい頭痛で発症し,経過中に硬膜下血腫を合併した症例と,頭痛で発症しMRIにて特徴的所見を呈した症例の2例のSIHを経験したので,本病態の臨床所見,および神経放射線学的特徴の文献的考察を加え報告する.
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