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症例
難治性前頭蓋底膿瘍の一期的郭清と腹直筋皮弁を用いた前頭蓋底の形成
著者: 加藤正仁1 加藤功1 浅岡克行1 澤村豊1 阿部弘1 山本有平2 越前谷幸平3
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学形成外科 3市立小樽第2病院脳神経外科
ページ範囲:P.461 - P.465
文献購入ページに移動メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は,難治性の感染症の起因菌として,各科でその治療,対策が検討されている.脳膿瘍を形成した場合も,その治療には,しばしば難渋する15).
一方,近年の顔面を含む前頭蓋底部の病変に対する外科的な技術の進歩は著しく,以前は治療不能と思われた顔面頭蓋の腫瘍に対して,拡大摘出が可能となり,治療成績も良好である.今回われわれは,上顎洞内原発の扁平上皮癌摘出後,前頭蓋底より右前頭葉内,さらに海綿静脈洞を介し右側頭葉内に生じた脳膿瘍の症例に対し,根治的郭清術及び腹直筋皮弁を用いた前頭蓋底形成を行い,良好な結果を得たので,若干の文献的考察を加え報告する.
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