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症例
眼窩尖端症候群を呈した眼窩内神経鞘腫
著者: 姉川繁敬1 林隆士1 鳥越隆一郎1 祝迫恒介1 栄俊雅1 大塩善幸2
所属機関: 1聖マリア病院脳神経センター脳神経外科 2聖マリア病院眼科
ページ範囲:P.473 - P.477
文献購入ページに移動眼窩内に出現する腫瘍として,偽腫瘍,涙腺混合腫瘍,血管腫,皮様嚢腫,リンパ腫などが多いとされている.神経鞘腫は比較的少なく2,6),大きなシリーズによると眼窩内腫瘍のうちの2.1-6.8%を占めるに過ぎないとされている3,11,12).
一方,眼窩尖端症候群は一側の動眼,滑車,外転ならび三叉神経第1枝の症状に視神経障害を伴うものであり,進行性の黒内障と視神経萎縮をきたす9).今回われわれは右眼窩尖端症候群を有した症例において,CT scanで眼窩尖端部にmassを認め,手術により神経鞘腫が発見され,術後より症状の著しい改善を認めた1例を経験したので報告する.
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