文献詳細
解剖を中心とした脳神経手術手技
文献概要
I.はじめに
脳動静脈奇形(以下AVM)の治療方針は,部位,大きさ,出血の有無,患者の年齢,及び神経症状等により異なり,難しい問題1)である.特にAVMがeloquent areaでしかも大きな場合はなおさらである.近年の病理組織学的検討によるとlarge AVMではその周囲1mmはnonfunctionであると報告されており16),1mm以内であれば手術操作による周囲の脳組織の障害は許容される.すなわちeloquent areaにおけるAVMの手術のpointは周囲脳組織の障害をいかに少なく手術を行うかということ,そのためにはAVMの出血のcontrolをいかに行い,AVM自体を凝固縮小させつつ,AVMを剥離摘出し,周囲脳への侵襲を減らすようにすること,及び術後管理をいかに行うかという点につきる.侵襲の少ない手術を行うには,術前検査でAVMとfunctional cortexとの関係,及びAVMの血行動態を正確に把握することが大切である.今回は感覚運動領のAVMの手術につき術前検査,術後管理を含め報告する.
脳動静脈奇形(以下AVM)の治療方針は,部位,大きさ,出血の有無,患者の年齢,及び神経症状等により異なり,難しい問題1)である.特にAVMがeloquent areaでしかも大きな場合はなおさらである.近年の病理組織学的検討によるとlarge AVMではその周囲1mmはnonfunctionであると報告されており16),1mm以内であれば手術操作による周囲の脳組織の障害は許容される.すなわちeloquent areaにおけるAVMの手術のpointは周囲脳組織の障害をいかに少なく手術を行うかということ,そのためにはAVMの出血のcontrolをいかに行い,AVM自体を凝固縮小させつつ,AVMを剥離摘出し,周囲脳への侵襲を減らすようにすること,及び術後管理をいかに行うかという点につきる.侵襲の少ない手術を行うには,術前検査でAVMとfunctional cortexとの関係,及びAVMの血行動態を正確に把握することが大切である.今回は感覚運動領のAVMの手術につき術前検査,術後管理を含め報告する.
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