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症例
後頭蓋窩急性硬膜下血腫を伴った末梢性後下小脳動脈瘤の1例
著者: 宮城敦1 前田浩治1 菅原武仁1
所属機関: 1東十条病院脳神経外科
ページ範囲:P.537 - P.541
文献購入ページに移動末梢性後下小脳動脈瘤は比較的稀な動脈瘤で,その頻度は全脳動脈瘤の0.3から1.0%2,5,7,8,10,14-16)と報告されており,現在までの報告症例数は約100例である.今回われわれが経験した症例は,頭部CT上,後頭蓋窩主体のくも膜下出血に,急性硬膜下血腫と小脳虫部脳内血腫を合併しており,初回脳血管撮影にて脳動脈瘤を確認し得なかった.末梢性後下小脳動脈瘤に,小脳虫部内血腫はしばしば認められる特徴的所見であるが,急性硬膜下血腫を合併することは稀である.現在までの報告例をあわせて,末梢性後下小脳動脈瘤の発生部位とそのCT所見を検討すると,後下小脳動脈前半部と後半部とでは,その所見が異なることが判明した.またこの部の動脈瘤の予後と治療方針についても検討してみた.
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