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症例
原因不明の水頭症に続発した松果体部部奇形腫の1小児例
著者: 野下展生1 白根礼造1 吉本高志1 小沼武英2
所属機関: 1東北大学脳神経外科 2仙台市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.549 - P.553
文献購入ページに移動水頭症の原因には,先天奇形や腫瘍あるいは髄膜炎などによって中脳水道や第四脳室が通過障害を起こした場合(髄液の通過障害),くも膜下出血や髄膜炎後にくも膜顆粒が吸収障害を起こした場合(髄液の吸収障害),あるいは脈絡叢乳頭腫による髄液の過剰分泌などがある.また松果体腫瘍は中脳水道の通過障害を引き起こし,頭痛,嘔気,嘔吐のように水頭症による頭蓋内圧亢進症状で発症することが多い.今回われわれは水頭症発症時にCT,MRIで腫瘍の存在が確認できず,原因不明の水頭症としてfollow upされていたが,その1年半後に松果体腫瘍が認められた1例を経験したので報告する.
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