Neurological Surgery 脳神経外科25巻6号

1997年06月発行

症例

下位脳神経障害を呈さずに頭蓋内外に伸展した頸静脈孔髄膜腫の1例

著者： 山本明敏¹ 本多良彦¹ 田草川豊¹

所属機関： ¹三井記念病院脳神経外科

ページ範囲：P.561 - P.565

I．はじめに
　髄膜腫は全脳腫瘍中23.3％であり，髄膜腫の中でテント下に発生するものは約10％（全脳腫瘍の2.3％）である．しかしながら，頸静脈孔部に発生する髄膜腫は極めて稀である^1,9,13）．今回，頸静脈孔部を介して頭蓋内外に伸展し，しかも下位脳神経障害が出現しなかった髄膜腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する．