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文献概要
症例
V-P shunt術10年後にシャントチューブが小腸に穿通した1例
著者: 金茂成12 今村純一1 池山幸英1 自見康孝1 安原新子1
所属機関: 1国立下関病院脳神経外科 2山口大学脳神経外科
ページ範囲:P.573 - P.575
文献購入ページに移動V-P shunt術は水頭症の治療として広く行われており,脳外科手術の中でも手技的には難しくないが種々の合併症を起こす可能性がある.シャントシステムの改良によりその頻度も減少してきてはいるが,それでも稀ならず合併症を経験することがあり,腹部合併症もそのひとつである.V-P shunt術に伴う腹部合併症には感染,チューブの屈曲・閉塞,腹腔内嚢胞形成,腹水貯留,腹腔内臓器穿通などが報告されているが,これらの中でもチューブによる腸管穿通は稀な合併症である4).また報告では多くが小児例で,術後から発症までの期間が短いのが特徴である.今回われわれはV-P shunt術10年後にシャントチューブが小腸内に穿通した症例を経験したので発生機序を中心に若干の文献的考察を加えて報告する.
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