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研究
頸部頸動脈狭窄病変由来の微小塞栓発生に影響を及ぼす因子の検討
著者: 秋山義典1 善本晴子2 長束一行2 戸高健臣1 野村素弘1 澤田元司1 森本将史1 橋本信夫1
所属機関: 1国立循環器病センター脳血管外科 2国立循環器病センター内科脳血管部門
ページ範囲:P.707 - P.712
文献購入ページに移動1982年にAaslidらにより開発されたTranscranial Doppmer法(以下TCD)により,頭蓋骨を介して頭蓋内主要血管の血流を測定することが可能となった1).更に,in vitroでの実験や動物実験にて,粒子性塞栓子がchirp音を伴った異常波形(high intensity transient sig—nal,HITS)として検出できることが報告された9,13).この方法を用いて頸部頸動脈狭窄病変由来の微小塞栓を,同側中大脳動脈の血流波形を記録することにより検出しようとする試みがなされている3,10,11,14,17,19).われわれも,TCDによる微小塞栓の検索から,微小塞栓の検出と頸部頸動脈狭窄病変を原因とする脳卒中発生が密接に関連していることを報告した2).この結果にもとづき,今回われわれは,微小塞栓発生に影響を及ほす因子につき検討したので報告する.
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