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症例
破裂を来たした既知未破裂脳動脈瘤症例
著者: 安井敏裕1 坂本博昭1 岸廣成1 小宮山雅樹1 岩井謙育1 山中一浩1 西川節1 中島英樹1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.755 - P.762
文献購入ページに移動脳ドックにより積極的に,あるいは他の脳疾患の検査中に偶然に未破裂脳動脈瘤が発見される機会が増えている.また,最近,National Institute of Neurological Disorders and Stroke(NINDS)のcommitteeから刊行された“脳血管疾患分類Ⅲ”21)でもCTまたはMRI上病変を認めながらも脳卒中発作の既往が明らかでなく,臨床的になんら神経症状を呈しない脳血管障害を無症候性脳血管障害という疾患単位として独立させ,これらに積極的に対処することを奨めている.しかし,現時点では未破裂で発見された脳動脈瘤が将来破裂するか否かの予測が不可能なため,これらの動脈瘤を開頭術や血管内手術により治療すべきかどうかに関する確たる方針を立てられないのが現状である.ここでは,すでに発見されていた未破裂脳動脈瘤が破裂した症例の報告を行い,各症例に伴う問題点について考察する.
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