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解剖を中心とした脳神経手術手技
側脳室内病変に対するanterior interhemispheric transcallosal approach
著者: 名取良弘1 福井仁士1 アルバート L ロートン2
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科 2フロリダ大学脳神経外科
ページ範囲:P.777 - P.784
文献購入ページに移動側脳室内病変の手術は,その存在部位により多くのアプローチが試みられてきた.すなわち側脳室前角及び体部前半部へは,前方からのanterior interhemispheric transcallosal9,19),anterior transcortical approach8,17,22),もしくはanterior frontal approach18)が,体部後半部及び三角部へは,後方からのposterior interhemispherictranscallosal1,2,5),posterior transcortical18,21),もしくはoccipital interhemispheric approach7,15,16)が,側角へは,下方からのposterior fronto-temporal transcortical6),temporal transcorticalもしくはsubtemporal approach4)あるいはtranssylvian approach10)が行われてきた.一方,最近の神経内視鏡の進歩により,側脳室のいずれの部位も経脳室鏡的に観察や生検が可能となったが,病変の全摘のためには開頭術が未だ必要なのが現状である3,13,20).
ここでは,anterior interhemispheric transcallosalapproach(前経脳梁的到達法)に必要な側脳室および脳表静脈の解剖を述べ,このアプローチを用いて手術した側脳室内病変の臨床例からこのアプローチについて考察する.
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