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研究
内頸動脈血栓内膜剥離術術後評価の手段としてTranscranial Doppler法による微小塞栓検索の有用性
著者: 秋山義典1 善本晴子2 長束一行2 戸高健臣1 野村素弘1 澤田元司1 森本将史1 小島昭雄1 橋本信夫1
所属機関: 1国立循環器病センター脳血管外科 2国立循環器病センター内科脳血管部門
ページ範囲:P.791 - P.794
文献購入ページに移動近年,頸部頸動脈狭窄病変由来の微小塞栓を,trans—carnial Doppler(以下TCD)により同側中大脳動脈の血流波形を記録することにより,chirp音を伴った異常波形(high intensity transient signat, HITS)として検出できることが報告されている2,5-11).われわれも,TCDによる微小塞栓の検索から,微小塞栓の検出と頸部頸動脈狭窄病変を原因とする脳卒中発生が密接に関連していることを報告した1).高度頸部頸動脈狭窄病変に対する外科的治療である内頸動脈血栓内膜剥離術(以下CEA)は,狭窄部の粥腫を切除することにより,脳血流を改善し,病変部が塞栓源となる危険性を取り除くことが目的である.今回われわれは,CEAの塞栓発生防止効果を判定するために,TCDによる微小塞栓の検索を術前及び術後に施行しその結果につき検討したので報告する.
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