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症例
乳児松果体部matignant rhabdoid tumorの1例
著者: 宇都宮昭裕12 白根礼造1 昆博之1 吉本高志1
所属機関: 1東北大学脳神経外科 2市立酒田病院脳神経外科
ページ範囲:P.809 - P.813
文献購入ページに移動乳児期発症の中枢神経系腫瘍は稀であり,かつ同時期に発生する悪性脳腫瘍は,年長児と比べ治療は難渋し,予後も不良である2,4,7).今回われわれは,乳児期松果体部に発生した脳腫瘍に手術,化学療法を施行し一過性の腫瘍縮小効果を得たが,その後間もなくして,急速な腫瘍再増大を来たした症例を経験した.その臨床経過,病理組織所見から中枢神経系発生のrhabdoid tumorと診断した.同疾患は乳幼児期に発生する極めて悪性経過をたどる腫瘍であり,近年欧米からの報告が相次いでいる5,6,9-11).しかし,本邦からの報告はわれわれが渉猟し得た中で1例のみであるため13),同疾患について若干の文献的考察を加え報告する.
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