文献詳細
文献概要
症例
運動野神経膠腫摘出におけるawake craniotomyとdirect corticat stimulationによる術中functional brain mapping
著者: 隈部俊宏1 中里信和1 佐藤清貴2 日向野修一3 高橋昭喜3 園田順彦1 川岸潤1 吉本高志1
所属機関: 1東北大学脳神経外科 2広南病院神経麻酔科 3東北大学放射線科
ページ範囲:P.823 - P.828
文献購入ページに移動神経膠腫の治療において手術摘出率は有意にその生命予後に相関する.しかし,言語野,感覚野,運動野及び錐体路といったeloquent areaに位置するか,もしくは近接する神経膠腫に対して,機能予後を考慮しない摘出術を行うことはできない17).患者のperformance statusを高いレベルで維持したままで生存期間を延長するためには,機能を持った領域を正確に同定した上での可及的摘出術を行う必要がある.
今回,26歳男性の右運動野神経膠腫症例に対して,propofolを用いたawake craniotomyを行い,directcortical stimulationにより運動野,感覚野の詳細なmappingを作成した上腫瘍が顔面の運動野の皮質から皮質下に存在することを同定した上で可及的摘出術を行った結果,術後一過性左顔面神経麻痺の出現を認めるのみで経過した.運動野神経膠腫摘出において本手技は極めて有用と思われ,本症例の麻酔及び手術方法に関して報告する.
掲載誌情報