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研究
脳動脈瘤手術中意図的一時血行遮断後脳虚血—多変量解析による危険因子の検討
著者: 井川房夫13 木矢克造1 北岡保2 勇木清1 有田和徳3 栗栖薫3 魚住徹1
所属機関: 1県立広島病院脳神経外科 2西広島リハビリテーション病院脳神経外科 3広島大学脳神経外科
ページ範囲:P.19 - P.24
文献購入ページに移動脳動脈瘤手術中親動脈の一時血行遮断(以下TO:temporary vessel occlusion)は最大径15mm以上の大きな動脈瘤,広頸動脈瘤や困難な部位の動脈瘤クリッピング時には必要な手技の一つである2).われわれは脳保護物質を使用下で一時血行遮断時間が延べ40分以上の症例でも神経脱落症状を残さなかった例を経験してきた8)が,これまで意図的一時血行遮断術後脳虚血の危険因子を検討した報告は少なくTO後脳梗塞を来たす危険因子を知ることは重要である.そこで今回著者らは,自験例において術中意図的にTOを使用した症例について術後の神経脱落症状と転帰に関与した危険因子を多変量解析を用い分析し若干の知見を得たため報告する.
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