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研究
遊離腹直筋皮弁による頭蓋底・頭頸部腫瘍切除後の眼窩顔面部再建
著者: 韓富1 久徳茂雄1 小川豊1 辻裕之2 井上俊哉2 川上勝弘3 河本圭司3
所属機関: 1関西医科大学形成外科 2関西医科大学耳鼻科 3関西医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.25 - P.30
文献購入ページに移動前頭蓋底に浸潤した腫瘍と頭頸部領域の癌切除後の再建には頭蓋内と鼻算副鼻腔とを完全に遮断することにより,髄液漏および髄膜炎を予防することが必要である.近年のマイクロサージャリー手技としての皮膚弁,筋(皮)弁の発展は目覚ましく,つぎつぎと頭蓋底と頭頸部腫瘍への新しいアブローチ法1)と再建手技5,9,13,16)の有用性が報告されるに伴い,これまで適応がないとされてきた部分の頭蓋底腫瘍の手術適応も拡大する傾向にある.再建材料としてはMethesら11),Drever2)の報告以来,下腹壁動静脈を茎とした腹直筋皮弁の有用性が注目されている.
1991年9月から1996年12月の間にわれわれの形成外科,耳鼻科,脳神経外科から成る診療チームにおいて,25例の前頭蓋底と頭頸部悪性腫瘍手術を独自の切除分類を基準として(Fig.1)行い8),9例に眼窩再建を行ったが,そのうち3例に肋軟骨付き遊離腹直筋皮弁による腫瘍切除後一期的眼窩,義眼床および口蓋底再建を行った.良好な結果を得たので若干の文献的考察とともに,われわれが現在行っている再建法とその結果について報告する.
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