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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻1号

1998年01月発行

文献概要

研究

破裂脳動脈瘤急性期手術術後の脳室ドレナージの適応について

著者: 安井敏裕1 坂本博昭1 岸廣成1 小宮山雅樹1 岩井謙育1 山中一浩1 西川節1 中島英樹1

所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科

ページ範囲:P.31 - P.36

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I.はじめに
 破裂脳動脈瘤急性期手術に際し硬膜内操作を容易にするためや,術後の頭蓋内圧管理のために脳室ドレナージを挿入することがある.しかし,脳室ドレナージの挿入には,早期離床の阻害,正常圧水頭症発生率の上昇10,12),脳血管攣縮発生率の増加5),感染の危険,脳実質損傷7)などの短所もあることから,破裂脳動脈瘤急性期手術の術後には脳室ドレナージを行わないとの主張もある3).著者らもこの主張にもとづき1988年頃から破裂脳動脈瘤急性期手術の術後にはなるべく脳室ドレナージを用いないようにしてきた.その結果,特に問題となった症例がなかったことから1990年からは術前に脳室拡大が見られた症例においても術後は脳室ドレナージなしで管理をする方針としてきた.しかし,中には術後急性期(2週間以内)に水頭症による意識障害のために脳室ドレナージの挿入をせざるを得なくなった症例も経験した.今回これらの症例を報告し,破裂脳動脈瘤急性期手術術後における脳室ドレナージ挿入の適応について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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