文献詳細
文献概要
症例
Diffuse idiopathic skeletal hyperostosisに伴った頸椎前縦靱帯骨化症による嚥下障害を来たした2例
著者: 水野順一1 中川洋1 磯部正則1
所属機関: 1愛知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.67 - P.72
文献購入ページに移動1950年ForestierとRotes-Querol5)が脊椎の強直を来たす特殊な病態として,強直性脊椎骨肥厚症(ankylosing hyperostosis of the spine)を報告した.本疾患は前縦靱帯の高度の石灰化または骨化を特徴とし,変形性脊椎症に伴った椎体前面に形成された骨棘や強直性脊椎炎との鑑別が重要である.1970年代Resnickら12-14)は脊椎以外の骨格系にもこの骨化素因が脊椎病変と合併したり,また単独に存在し,骨化を生じることを確認し,diffuse idiopathic skeletal hyperostosis(DISH)として命名した.この臨床病理学的概念は現在でも用いられており,数椎体におよぶ椎体前面の石灰化または骨化,病変部位の椎間板腔の比較的良好な保持,仙陽関節部の異所性骨化等が代表的なレントゲン学的特徴として定義づけられている.
今回われわれはDISHの頸椎前縦靱帯骨化により嚥下困難を来たした患者に対し外科的に治療し,良好な結果を得られたので文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報