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症例
モヤモヤ病に合併した末梢動脈瘤に対しplatinum coilを用いて血管内治療を行った1例
著者: 杉浦康仁1 松澤裕次2
所属機関: 1聖隷三方原病院脳神経外科 2聖隷沼津病院脳神経外科
ページ範囲:P.73 - P.77
文献購入ページに移動モヤモヤ病に合併する脳動脈瘤は,Willis動脈輪に発生する主幹動脈瘤とモヤモヤ血管あるいは側副血行路に発生する末梢動脈瘤に大別されるが6),いずれも主要な出血源とされている1,5,8).これらに対する外科的治療は諸家により報告されているが1,3,5,8,12,14,15),モヤモヤ病特有の循環動態のため一般に困難であり9,12),特に末梢動脈瘤に関してはアプローチの困難性もあってその直達手術の報告は極めて少なく3,5,8,12,14,15)一定した治療方針が得られていないのが現状である.一方,直達手術困難な脳動脈瘤に対してplatinum coilによる血管内治療が最近盛んに行われるようになり2,4,10,16),その有用性が認められてきている.今回,脳内出血にて発症した前脈絡動脈動脈瘤に対しplatinum coilを用いて瘤内閉塞を行ったモヤモヤ病の1例を経験した.モヤモヤ病に合併した末梢動脈瘤に対する血管内治療の報告は今だかつてなく,この手技の適応と有用性につき考察を加え報告する.
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