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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻1号

1998年01月発行

文献概要

症例

脳室腹腔短絡管によるS字結腸穿通—気脳症で発症した1例

著者: 刈部博1 石橋安彦2

所属機関: 1渡辺病院脳神経外科 2石橋脳神経外科クリニック

ページ範囲:P.79 - P.82

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I.はじめに
 脳室腹腔短絡術(以下V-P shunt)の腹腔側合併症として,shunt tubeの閉塞・屈曲・離脱,腹腔内嚢胞形成,腹水貯留,腸閉塞,臓器穿通等の報告がある.腸管穿通はこれまでに50余例が報告されており,その多くはshunt tubeを介した上行感染による髄膜炎,腸管穿通による腹部症状,短絡管閉塞による頭蓋内圧亢進症状で発症するとされる1-16)
 今回われわれは,V-P shuntを施行して3年後に腹側チューブによるS字結腸穿通を来たし,気脳症で発症した稀な1例を経験したので報告する.本症例では繰り返し施行した腹部単純写において,発症6カ月前より腹側シャントチューブ先端が固定しているのが確認されており,腸管穿通の機序を考える上で,また補助診断として有用と考えられたので若干の考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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