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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻1号

1998年01月発行

文献概要

報告記

第12回国際脳腫瘍研究・治療カンファランス(The 12th International Conference on Brain Tumour Research and Therapy)印象記

著者: 松本健五1

所属機関: 1岡山大学脳神経外科

ページ範囲:P.84 - P.86

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 第12回の本カンファランスは,1997年9月20から23日までの4日間,Londonの北西約90kmにある学問の街として名高いOxfordでDavidThomas教授の会長のもと開催された.Oxford大学は創立が1263年で,現在45のcollegeを有する総合大学となっている.Collegeそれぞれが,教会,講堂,宿舎,教室を持っているので,2km四方の大学の敷地はまるで一つの街となっている.会場と宿舎はそのなかの1870年創設のKe-ble collegeが主にあてられた.大学の建物は,全て煉瓦づくりで,歴史の重みを感じさせた.会期中は夏期休暇中で学生は見かけることなく,静かな校内をわれわれが占有していた.中庭の大木の下には野生のシクラメンが可憐な花をつけていた.Oral presentationとlectureは徒歩で数分のOxford university museumの一室一会場で行われた.Museumは1855年の創立で,世界のあらゆる貴重な動物の剥製,鉱物などが所狭しと展示されており,口演の合間に溜息まじりで眺めていた.宿舎は,学生寮でテレビも電話もない質素なものだった.ここで4日間缶詰状態で,5題の特別講演,76題の口演発表と127題のポスター展示があり,早朝から深夜まで連日活発な討論がなされた.
 ちなみに演題数208のうち臨床と基礎の比率は約3対7であった.参加者は世界各国から213名が参加した.内ヨーロッパ各国から105名,アメリカから82名,カナダその他が10名であった.日本からは,阿部教授(北大),旧中教授(新潟大),山下教授(金沢大),松谷教授(埼玉大),野村部長(国立ガンセンター),生塩教授(熊本大),田渕教授(佐賀医大),筆者と他に若手研究者を含めて26名の参加があり,日本からの発表の多くがseleded paperに選ばれたのは頼もしく感じられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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