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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻10号

1998年10月発行

文献概要

連載 脳神経外科と分子生物学

神経移植・再生療法の現状と展望—細胞工学,分子生物学的手法の応用

著者: 伊達勲1 大本尭史1

所属機関: 1岡山大学脳神経外科

ページ範囲:P.860 - P.872

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I.はじめに
 種々の神経疾患に対する神経移植・再生療法は,神経科学の中でも最も新しい分野の一つであり,近年の細胞工学,分子生物学的手法の応用によってさらに発展の期待がもたれている.神経移植という方法が,神経疾患の治療法として研究され始めたのは,パーキンソン病に対してであり,その後,ハンチントン病,アルツハイマー病などの神経変性疾患,癌性疼痛,脊髄損傷,脳虚血,てんかん,性腺機能低下症など種々の神経疾患に対して,神経移植を用いた治療法の研究が行われてきている33,46,70).本稿では,神経移植・再生療法の現状と将来の展望について,特に細胞工学・分子生物学的手法をどのように応用して行くことが期待されるかを交えながらまとめる.なお,広い神経移植・再生の分野を全て包含するのは紙面の都合上も困難であるので,最もこれまで研究が進み,臨床応用も行われてきたパーキンソン病に対する神経移植を中心にまとめていき,他の神経疾患については種々の神経疾患に対する神経移植・再生療法として最後に述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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