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症例
血管内手術により消失させ得た外傷性中硬膜動脈偽性動脈瘤の1例
著者: 奥村裕之1 天神博志1 上田聖1
所属機関: 1京都府立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.929 - P.933
文献購入ページに移動交通外傷による急性硬膜外血腫とそれに対する血腫除去術後に,外傷性中硬膜動脈偽性動脈瘤の発生を認めた1例に対して,開頭術を用いず血管内手術によって治療を行い動脈瘤を消失させ得た.本疾患はその頻度の少なさから見逃されやすく注意を要する.本症例では出血を繰返しながら硬膜外血腫が緩徐に増大してきたと思われるが,神経学的脱落症状の発現前にそれを未然に防ぎ得た.それに対する治療として,血管内手術は,侵襲が少なく患者に対する負担も軽いが,その反面,再開通の可能性もあり,反復した治療も必要となり得る.
われわれは,本症例を血管内手術のみによって完治させ得たことから,同疾患に対する治療として,考慮されるべき一つの選択肢となりうるものと考える.
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