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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻11号

1998年11月発行

文献概要

人は死して髑髏を残す

著者: 松本清1

所属機関: 1昭和大学脳神経外科

ページ範囲:P.954 - P.955

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 第2次世界大戦が終わって半世紀がたつのにこの間世界のどこかで争いが絶えない.その多くは宗教を異にするゆえの争いごとである.このような戦争が終わってしばらくして,あの戦争の意味は何であったかと考えてみると人は何も見出せない馬鹿馬鹿しい気持ちにとらわれるであろう.しかし人間はおろかにもこの宗教がらみの争いを2000年以上も続けているのが現実の歴史であり,将来も又続けるのであろう.
 欧米のキリスト教では人は死ぬと魂は昇天し,遺体は完全に物体に変わると考えているらしい.映画などでみる葬儀では遺族や友人が棺にひとつまみの土をかけて,すぐに立ち去り,棺の埋葬は墓堀人にまかせて終了する.仏教徒である私にはそれが習慣とはいえ,埋葬が終わるまでそれを見つめるのが礼儀ではないかと思ってしまうのは,日本ではすべて火葬にして骨拾いの儀式があるからであろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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