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症例
5年の間に発生したと思われる横・S状静脈洞部硬膜動静脈瘻の1例
著者: 石川敏仁1 糸川博1 前野和重1 佐藤光夫1 鈴木恭一1 渡部洋一1 佐々木達也1 児玉南海雄1
所属機関: 1福島県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1019 - P.1024
文献購入ページに移動硬膜動静脈瘻は,病因が不明であり治療にも難渋することの多い疾患である.その発生機序に関しては,静脈洞の血栓性閉塞に引き続いて器質化が起こる過程で後天的に形成されるという説11)や,静脈洞の閉塞とは無関係で,静脈洞壁を構成する硬膜内において動静脈シャントが形成されるという説20,21)などがあるが,未だ定説はない.
今回われわれは,TIAの精査のために行われた初回の脳血管撮影で異常所見を認めなかったが,その5年後に脳内出血で発症し,脳血管撮影で新たに横・S状静脈洞部に硬膜動静脈瘻を認めた1例を経験したので,その成因に関して文献的考察を加え報告する.
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