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連載 脳神経外科と分子生物学
神経系に関わる遺伝性疾患研究の現状と展望
著者: 辻省次1
所属機関: 1新潟大学脳研究所神経内科
ページ範囲:P.1043 - P.1054
文献購入ページに移動I.はじめに
神経系をおかす疾患の病因を解明しようとしたときに,従来は,主として病理学,生化学などの研究を基盤として病因解明のための研究が行われてきたが,病因の解明がなされていない神経疾患が数多く残されていた.ところが,1980年代になって,分子遺伝学的な研究手法が導入され,疾患の責任遺伝子が相次いで発見されるようになり,神経疾患の病態機序を分子レベルで合理的に解明することが可能になった.本稿では,神経疾患の遺伝子研究がもたらしたパラダイムシフトが神経疾患の理解にどのようなインパクトを与えたかを紹介し,今後の展望について考察してみたい.
神経系をおかす疾患の病因を解明しようとしたときに,従来は,主として病理学,生化学などの研究を基盤として病因解明のための研究が行われてきたが,病因の解明がなされていない神経疾患が数多く残されていた.ところが,1980年代になって,分子遺伝学的な研究手法が導入され,疾患の責任遺伝子が相次いで発見されるようになり,神経疾患の病態機序を分子レベルで合理的に解明することが可能になった.本稿では,神経疾患の遺伝子研究がもたらしたパラダイムシフトが神経疾患の理解にどのようなインパクトを与えたかを紹介し,今後の展望について考察してみたい.
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