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総説
脳腫瘍とサイトカイン
著者: 倉津純一1
所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科
ページ範囲:P.1055 - P.1064
文献購入ページに移動I.はじめに
サイトカインは免疫反応,造血反応,炎症反応をはじめとするいわゆる生体防御だけでなく神経系や内分泌系の生体の重要な機能も調節している生理活性因子である.またサイトカインに関する知見はあらゆる病態の研究に及び,脳腫瘍や脳血管障害,変性疾患,感染症など幅広い脳疾患の病態解明にも重要である.10数年前までは培養上清中の活性物質として証明されただけのサイトカインのほとんどが,その構造決定から遺伝子工学による大量生産の途が開かれた結果,今や臨床の現場に不可欠のものとなった.ここでは脳腫瘍に関して各種サイトカインのかかわりと臨床的意義,サイトカイン遺伝子療法まで最近の報告を中心に解説したい.
サイトカインは免疫反応,造血反応,炎症反応をはじめとするいわゆる生体防御だけでなく神経系や内分泌系の生体の重要な機能も調節している生理活性因子である.またサイトカインに関する知見はあらゆる病態の研究に及び,脳腫瘍や脳血管障害,変性疾患,感染症など幅広い脳疾患の病態解明にも重要である.10数年前までは培養上清中の活性物質として証明されただけのサイトカインのほとんどが,その構造決定から遺伝子工学による大量生産の途が開かれた結果,今や臨床の現場に不可欠のものとなった.ここでは脳腫瘍に関して各種サイトカインのかかわりと臨床的意義,サイトカイン遺伝子療法まで最近の報告を中心に解説したい.
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