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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻12号

1998年12月発行

文献概要

研究

頸動脈血栓内膜摘除術術中に施行したBalloon Dilatation後の血栓内膜の肉眼的,病理組織学的検討

著者: 西田正博1 島健1 岡田芳和2 山根冠児1 畠山尚志1 山中千恵1 豊田章宏1 西田俊博3

所属機関: 1中国労災病院脳神経外科 2島根医科大学脳神経外科 3中国労災病院病理部

ページ範囲:P.1075 - P.1082

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I.はじめに
 頭蓋外頸動脈の狭窄性病変に対する血栓内膜摘除術(Carotid Endarterectomy,以下CEA)は欧米でのrandomized study等の結果,70%以上狭窄のsymptomatic例,60%以上の狭窄の認められるasymptomatic例に於いて本手術の有効性が認められ,積極的に手術が行われるようになってきた.一方,最近の血管内手術法の普及,カテーテル等材質の進歩,高解像度DSAの導入等に伴い,頸動脈病変に対してもpercutaneous transluminalballoon angioplasty(PTA)が行われるようになりつつある.確かに低侵襲ではあるが未だこの術式の有効性,安全性の確立には至っておらず,再狭窄の問題,血栓遊離による脳塞栓の可能性も危惧されている2,5,11,13,21).また,頸動脈を含めPTAによる血管拡張の機序,血管壁の変化等について,実際の施行時や施行後の病理組織で検討した報告は少なく4,15),適応についても確立されていないのが現状である.今回われわれはCEAの術中に頸動脈狭窄部のballoon dilatationを行い,その後摘出した.血栓内膜の肉眼的,病理組織学的検討から,PTAの有効性,危険性等について考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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