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研究
錐体テント部硬膜動静脈奇形に対する導出静脈(洞)閉塞術
著者: 伊藤昌徳1 園川忠雄1 三科秀人1 飯塚有応2 佐藤潔3
所属機関: 1東京都保健医療公社東部地域病院脳神経外科 2順天堂大学放射線科 3順天堂大学脳神経外科
ページ範囲:P.123 - P.133
文献購入ページに移動硬膜動静脈奇形は頭蓋内動静脈奇形の10-15%にすぎず,比較的まれな疾患である1,2).これまで,さまざまな治療が試みられてきたが,最近では外科的治療には余り注目されず,血管内手術を選択することが一般的である2,12,13).しかし,経動脈的血管内塞栓術のみでは再発が多く,治癒率は50%とされ15,16),静脈洞を含めた硬膜動静脈奇形の摘出術はSundtら17)によって5%のmajormorbididy and mortalityがあることが報告されている.このようなことから,経静脈的血管内塞栓術が好んで選択される傾向にある.しかし,経静脈的塞栓術が技術的に困難であったり,静脈洞の閉塞や奇形のため経静脈的アプローチが不可能な症例がある14,16,21).今回,著者らは血管内手術で治癒せしめることができなかった3例の錐体テント部硬膜動静脈奇形に対して摘出術よりも外科的侵襲性の低い導出静脈(洞)閉塞術(draining veinclipping)を施行し,満足すべき結果を得た.本手術法の適応,術前血管内栓塞術の役割,術中モニターリング,手術の実際について検討を加えたので報告する.
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