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症例
レックリングハウゼン氏病に合併したくも膜下出血2例の報告—多発性脳動脈瘤に脳動静脈奇形を合併した1例と前交通動脈動脈瘤の1例
著者: 雄山博文1 中根藤七2 半田隆2 水谷信孝1 池田公1 井上繁雄1 渋谷正人1 土井昭成1
所属機関: 1中京病院脳神経外科 2市立半田病院脳神経外科
ページ範囲:P.151 - P.156
文献購入ページに移動von Recklinghausen氏病(neurofibrnmatosistype I)は神経皮膚症候群(neurocutaneous syn-drome)の一種で,第17染色体に異常のある常染色体優性遺伝疾患であり,1/3000の頻度でみられる19).このvon Recklinghausen氏病は主として,neurofibroma, café-au-lait spot, glial tumor,meningioma等の発生に示されるように外胚葉系の異常を示すが,その他,骨形成異常,腎嚢胞,膵嚢胞の発生に示されるように中胚葉系の異常も示す15).この中胚葉系の異常に属するものには血管病変もあるが,これは比較的稀である2,12,14,20).中枢神経系の血管障害の中では脳梗塞が多いが,今回われわれは稀なくも膜下出血の2例を経験したので,考察と共に報告する.
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