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症例
2つの副鼻腔と交通していた外傷性脳内気脳症の1例
著者: 若本寛起1 宮崎宏道1 林拓郎1 島本佳憲1 石山直巳1
所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.177 - P.181
文献購入ページに移動一般に外傷性気脳症は骨と硬膜に亀裂部が存在し,その部を介して空気が頭蓋内に侵入してくる病態であるが,空気が脳実質内に限局する脳内気脳症は,さらに特異な条件がそろって初めて生じる病態と考えられており8,9),その報告例も少ない1,4,6,10,13,14).今回われわれは脳内気脳症の経過観察中に,急激に脳内およびくも膜下腔に空気が大量に流入した症例を経験し,手術所見から気腫腔が2箇所の副鼻腔と交通している所見を得たので,この稀なる脳内気脳症の病態につき,若干の検討を加え報告する.
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