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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻3号

1998年03月発行

文献概要

症例

結核性髄膜炎の治療—治癒とその指標

著者: 辻篤司1 徳力康彦1 武部吉博1 木築裕彦1 半田譲二2

所属機関: 1福井赤十字病院脳神経外科 2滋賀医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.233 - P.238

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I.はじめに
 抗結核薬の開発,結核対策の推進,栄養などの生活水準の向上により,近年,結核死亡は確実に減少した.それに比例して,結核性髄膜炎は比較的稀な疾患となったと考えている臨床家が多いと思われる.事実,小児においては比較的稀な疾患となりつつあるが,成人においては疑診の症例も含めると発生率が著明に減少しているとは言えない.結核性髄膜炎は現在でも難治性髄膜炎の一つであり,その予後は他の疾患と比較しても,必ずしも満足のいくものではない.治療薬としてrifampicinが登場してからも,ほとんど改善されていない.抗結核薬の開発に比べて,治療成績が向上しない理由として,本症に対する関心の薄れと共に,結核菌の髄液からの検出率が悪いために治療開始が遅れたり,治療が中途半端で終わってしまっていることが考えられる9,14)
 緩解期の抗結核剤投与中止の指標として,CTでのcontrast enhancementの消失が挙げられているが,真に適切な指標であるのかに言及した文献は少ない.本院で経験した結核性髄膜炎の症例を紹介し,緩解期の抗結核薬の投与計画における画像診断の役割について考察したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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