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研究
圧可変式バルブシャントシステム(Medos Programmable Hakim Valve)と脳室ファイバースコープによるSlit-like Ventricleの治療
著者: 上川秀士1 桑村圭一1 藤田敦史1 太田耕平1 江口貴博2 玉木紀彦3
所属機関: 1兵庫県立淡路病院脳神経外科 2兵庫県立こども病院脳神経外科 3神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.349 - P.356
文献購入ページに移動先天性水頭症やその他の水頭症に対して,乳幼児期までの早期にシャント手術が行われた場合,高頻度に脳室がslit-like ventricleになることはよく知られている2,5).このslit-likeventricleはシャント機能不全の大きな原因のひとつであり,このような患児のシャント再建術はしばしば困難である.これら患児の理想的な治療目標は,シャントからの離脱である.
一方近年,圧可変式バルブの有効性が報告されている4,8,9).中でもHakimらにより開発されたMedos programmable Hakim valve1)は,電磁石のプログラマーを頭皮上より非侵襲的に用いることにより,年齢や病態に応じてそのバルブ圧を30-200mmH2Oの間で,極めて多段階(18段階)に変更できるシャントシステムである.したがって,慎重な操作が要求される圧設定の上昇を,少しずつ段階的に安全に行うことが出来る.今回,われわれはこのMedos programmable Hakimvalveと,可動性の少ない硬性内視鏡に代えてグラスファイバーを用いることにより可動性の極めて向上した脳室ファイバースコープ3,14,15)(軟性内視鏡)を用いて,slit-like ventricleの治療を試みたので報告する.
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