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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻4号

1998年04月発行

文献概要

症例

広範な脊髄空洞症を合併した後頭蓋窩くも膜嚢胞の1例

著者: 篠田幸子1 田中公人1 川口健司1

所属機関: 1松阪中央総合病院脳神経外科

ページ範囲:P.363 - P.367

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I.はじめに
 くも膜嚢胞の発生部位として後頭蓋窩は中頭蓋窩に次ぐ.後頭蓋窩くも膜嚢胞の初発症状としてめまい,眼振,頭痛,精神発達遅延等が報告されているが,小児と成人では臨床症状にかなりの違いが認められている2,4).後頭蓋窩くも膜嚢胞では身体他部位における奇形合併率は20-30%であり,中枢神経系の合併奇形も30%と高い(中脳水道狭窄,脳梁欠損など)12)
 われわれは左下肢の脱力発作で発症し,画像上高度な水頭症と広範な脊髄空洞症を合併した巨大な後頭蓋窩くも膜嚢胞の1例を経験し,嚢胞-腹腔短絡術にて良好な結果を得たので文献的考察を含め報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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