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文献概要
症例
脳浮腫が発症原因となった外傷性亜急性硬膜下血腫の1例
著者: 西尾雅実12 赤木功人1 安部倉信1 前田泰孝1 松本勝美1
所属機関: 1阪和記念病院脳神経外科 2摂南総合病院脳経外科
ページ範囲:P.425 - P.429
文献購入ページに移動外傷性亜急性硬膜下血腫は,受傷後の急性硬膜下血腫による症状が軽度で保存的治療をされているうちに,亜急性期に最も予後に影響する症状が出現したり,神経症状が悪化したりする硬膜下血腫とされており4,8,11),その亜急性期における発症原因は,森永ら11),唐澤ら4)によると硬膜下血腫部の増大による脳への圧迫の増強と考えられている.一方,この発症原因に関して,硬膜下血腫部の増大ではなく,同側の大脳半球の浮腫が発症原因となった本疾患が1例報告されている2).われわれも,血腫側の大脳半球浮腫が発症原因となり,緊急開頭外減圧術によく反応した症例を経験し,本疾患の病態と手術法を考える上で興味ある症例と考えられたので若干の文献的考察を加えて報告する.
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