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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻5号

1998年05月発行

文献概要

症例

左頭頂葉梗塞で生じた失行性失書(Apractic Agraphia)の特徴を有する書字障害

著者: 前島伸一郎1 山家弘雄1 増尾修1 桑田俊和1 尾崎文教1 森脇宏1

所属機関: 1国保日高総合病院脳神経外科

ページ範囲:P.431 - P.437

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I.はじめに
 失行性失書は文字の形態を完成するために必要な字画・筆順が記録された運動プログラムが障害されたもので3),書字動作は極めて緩慢であるが,内言語障害は認められず1),手本が示された場合であっても書字運動パターンの障害によって逐次書きをされたり自己修正がみられるのが特徴である.しかし,実際は書字のみの障害ではなく図形の模写にも障害があり,書字には直線や曲線といった構成成分自体の歪みも目立つという報告1,4,15,18)や,文字形熊に関する知識や文字形態の想起も障害されていたという報告5)があり,その書字障害の特徴は多彩である.欧米における失行性失書の報告例は多いが,本邦での報告は少ない.今回,われわれは優位半球頭頂葉病変で失行性失書の特徴を有する書字障害を呈した脳梗塞の1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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