文献詳細
文献概要
症例
免疫抑制状態に合併したEpstein-Barr Virus Associated Malignant Lymphomaの1例
著者: 稲村孝紀1 西尾俊嗣1 松角宏一郎1 長藤宏司2 池崎清信1 森岡隆人1 福井仁士1
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科 2原三信会病院内科
ページ範囲:P.443 - P.447
文献購入ページに移動免疫不全状態にある患者にはしばしば悪性リンパ腫が合併する1,5,6).免疫不全には,先天性免疫不全症,臓器移植に際しての免疫抑制療法によって生じる免疫不全症,腫瘍等に対する化学療法に合併する免疫不全症,そしてAquired ImmunoDeficiency Syndrome(AIDS)などが含まれる7).欧米ではAIDS患者が多いため,これに伴う悪性リンパ腫に遭遇する機会も多いが,日本ではAIDS症例が少ないため,脳神経外科医が免疫不全に伴う悪性リンパ腫に遭遇する頻度は少ない.しかしながら,日本でも移植医療は活発に行われており,今後免疫抑制剤を使用する機会はさらに増加すると思われる.今回われわれは,骨髄移植に際する免疫抑制療法によって生じた悪性リンパ腫の症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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