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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻6号

1998年06月発行

文献概要

研究

くも膜下出血重症度分類としてのJapan Coma Scale—重症度分類の決め方について

著者: 高木清1 青木誠1 石井映幸1 永島幸枝1 成田考而1 中込忠好1 田村晃1 安井信之2 波出石弘2 種子田護3 佐野圭司1

所属機関: 1帝京大学医学部脳神経外科 2秋田県立脳血管研究センター脳神経外科 3近畿大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.509 - P.515

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I.はじめに
 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出(SAH)の重症度を評価する主な目的は,予後を予測して手術適応の有無を判断することにある.手術後の予後を改善する目的で,カルシウム拮抗薬,clot re-moval,induced hypertensionなど様々な治療が試みられ1,5,9,11,16,19,22,24),SAHの予後は確実に改善してきているが,1980年以降はplateauに達している21)
 SAHの予後をさらに向上させるために現在も新しい試みがなされているが,限られた数の症例から治療効果を正しく評価するためには症例群を重症度別に階層化することが重要である.その前提として重症度分類の各grade間で予後に差があることが絶対的な必要条件であるが,これまで提唱されてきた多くの重症度分類2,7,8,15,23).にはいくつかの不備が指摘されている.その主な点はgradeが異なるのに予後に差が認められない部分があることと4,6),同じ症例が評価者によって異なったgradeに分類されるという2点である13,14).この2点は,grading scaleの目的を考えたとき致命的な欠陥である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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